ちょっとしたお仕事で車載のiPod用FMトランスミッタの性能比較実験をすることになった。
条件としてはDockコネクタ接続、充電可能であるということ。今回使ったのはよく売れていると聞く代表的な以下の3機種(各製品の写真クリックで私がよく利用する安価なオンラインショップに飛びます)。
今回は長いので追記モード。
最初はiTripシリーズでお馴染みGriffin Technology社のiTrip Auto。例によってシンプルなデザインは好感が持てる。
しかし、個人的にこのiTripシリーズにはあまり良い印象がない。それは初期のiTripを使っていたのだが、電波の飛びが悪くしかもノイズ混じり。しかもiPodのハードディスク回転ノイズまで拾ってしまうという正直使い物にならない製品だった。
今回のこのiTrip Autoは以前ほどのノイズは無いのだが、無音時のホワイトノイズが少しあるくらい。電波の飛びは以前よりも格段にアップしている。これは電源がシガーライターから供給できるようになったからであろう。本体も薄くて邪魔にならない。ただ、シガーライタープラグがストレートなので、車種によってはちょっと邪魔になるかもしれない。
お次はBELKIN社のTuneCast Auto for iPod。このメーカーもiPodの周辺機器では有名だ。実に多くの製品がリリースされている。個人的にも開発陣を知っているので、馴染みのあるメーカーだ。
特徴としてはFMのチューニングコントロール部が別に装着しやすいようなレイアウトで、スマートな配線が可能な点だろう。液晶ディスプレイも大きすぎず目立たないので車内でも地味で良い。この手のFMトランスミッタは配線がゴチャゴチャしやすいのが難点だが、この製品はちょっとした工夫だが上手にまとめている。
肝心の音質は可もなく不可も無く…という程度。曲間のホワイトノイズもあるし、普通のレベル。他の2種と比べて価格がやや安いのがメリット?
最後はオーディオケーブルで有名なMONSTERブランドのiCarPlay Wireless Plus-FM Transmitter for iPods with Dock Connection。でも販売はオンキヨーだったりする。
もう外観からしてアメリカン。赤く大きく表示するLEDなど最近の青LEDブームに反発しているようで良い(笑)実はあまり期待はしていなかった音質は、驚いたことに最も好感が持てるものだった。電波も強く安定していてホワイトノイズも少ない。真剣に聞いてなければCDチェンジャーで音楽を聴いている感覚だ。
難点と言えるものでもないが、強いて挙げれば最初に書いたとおりクセのある外観。クルマのなかで結構存在感のあるパーツだ。シガープラグ部と本体の赤いLEDが夜だとかなり目立つ。ただMonsterブランドの信頼感は確かに存在する。それが前記の音質だ。ケーブルも太めだが柔らかいのでそれほど取り回しに苦労はしないだろう。
今回の実験を通して感じたのは、以前から持っていたFMトランスミッタの性能不足の認識が、最近ではずいぶんと改善されているという点だ。
また、全ての製品に言えることだが車中でのiPodの操作は結構大変で、助手席に座っている人に頼んでも揺れのため結構難儀していた。簡単な物でも良いのでリモートコントロールユニットも装備してもらえるとありがたいと感じた。
車種やさまざまな条件にも左右されやすいのはFMトランスミッタの宿命でもあるが、iPod対応カーオーディオではないユーザーにとっては最も簡単に自動車内で楽しめる製品に違いない。