電気用品安全法の影響

電気用品安全法の影響既に色々なメディアで報じられているとおり、来月の3月31日以降電気用品安全法に適合していない電気用品の業者による売買ができなくなる。

電気用品安全法(旧法では電気用品取締法)は平成13年4月から施行されているもので、電気用品の安全性を維持するための法律のひとつだ。

この法律の施行にあたり、猶予期間として5年間が設けられていたが、それが来月の3月31日で終了する訳だ。ただ猶予期間については特定の電気用品によって異なるため、来月の3月31日以降も継続されるものもあるが、いずれにしろ平成23年に全ての機器が規制対象となる。電気用品を販売するメーカーは猶予期間後も販売を継続する機器に関しては認証を受けてPSEマークの記載が必要となるのだ。

ちなみに個人が所有して使用し続けている電気用品に関しては対象外である。すなわち使い続けられる。

さて、前振りが長くなったが、これにより影響を受けるのが中古電気機器を販売する業者である。当然今回の規制対象になっている機器は沢山ある。いくつかの中古販売業者ではこの規制の対象になっている機器の買い取りを中止したりする動きも始まっている

その中でも特に動きがあるのがオーディオや楽器などの業界だ。好きな人ならば解ると思うが、これらのジャンルの場合は10年以上前の機器もまだまだ現役だったりする。なぜならば実機でしか出せない「音」があるからだ。貴重なものだと未だにプレミア価格が付いているのもめずらしくない。そうしたものも業者を通じて売買できなくなるのだ。オークションなどの個人売買は対象にならないが、取引数量が多い場合は業者と見なされて規制対象となる場合もあるので注意が必要だ。

そんな状況の中、日本シンセサイザープログラマー協会では、電気用品安全法(PSE法)に対する署名を始めている。目的は今回の規制対象になる機器に対して規制の緩和を求めるものだ。

電子楽器は旧式のモデルになると殆どが今回の規制の対象になる。古いアナログシンセや初期のデジタルシンセには名機と呼ばれる物も数多く存在する。一部の機器は現代のデジタル処理によってエミュレートされているものもあるが、やはり実機の生音にはかなわない。もちろんオーディオもしかり。

既に所有しているユーザーは良いのだが、これから所有したいと思っているユーザーは個人売買を頼るしかなくなる。また、現在こうした中古機器の販売を行っている業者は下手をすれば閉店に追い込まれる可能性もある。

個人的には粗悪な電気用品がはびこらないように規制する必要は絶対に必要と考えている。下手をすれば感電や発火などで大きな事故の原因になるからだ。経済産業省も猶予期間としてちゃんと5年間は用意してきたので、一般ユーザーが騒ぐほど対応が悪いとも思わない。なぜならば電気関係に携わる関係者で、そこそこの規模の会社ならばこの法律を知っているハズだし。まぁ、一般への認知が低いのはお役所だけじゃなくてメーカーの責任もあると思う。

とはいえ、メーカーも本規制前に終息してしまった製品に対して、本法律に対応するために新たに申請をすることは無いだろうから、やはり何かしらの救済措置があっても良いのかなと思う。でも、あまりに古い電器製品は部品の劣化とか怖いから難しそう。

ただ、今回の件で何でもバッサリと切り捨ててしまうのは如何なものだろうか?規制を無くす必要はないが、ある一定の条件をクリアできるものに対しては、何らかの措置を残しても良いのではないかという日本シンセサイザープログラマー協会の考えに同感できる。しかし先にも書いたように人命に関わる安全性が問われるので、安易な事はできないだろうが対処方法を模索してもらいたいと思う。

以前に日本の「もったいない」という考え方が世界でクローズアップされたことがあるが、今回の件もその「もったいない」を含めて考えてもいいかもしれない。

※上記は経済産業省電気用品安全法(旧法では電気用品取締法)が、「提示した目的で正しく機能している」という前提での意見。

ただ、省庁が本規制の申請手数料として金を集めたいがための手段だとしたら言語道断!即刻廃止すべき。

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