日経エレクトロニクス

日経エレクトロニクス日経エレクトロニクスを定期購読しているのだが、記事中のMacBook Airの分解記事を読んでいて、これはMacユーザから反感を買うナーと思っていたら、案の定そうなっていたようだ。

「(MacBook Airの)中身は無駄だらけ」というインパクトのあるタイトルなのだが、文章の表現方法が読み手によっては違う認識をしやすい内容だけに、認識の仕方次第ではApple叩きにも思えるものだった。しかも、英文記事がWiredで記事にされて、海外でも同じく反感を買っていた。

WEB上のTech-Onでは、弁解記事まで登場しているが、世に出る前にこれを想定できたのでは?と思える。だから弁明記事がちょっと…ねぇと思う。

日経エレクトロニクスは技術者をターゲットにしたものなので、もっと技術者寄りの鋭い切り口で記事にすれば良かったのだろうが、ちょっと中途半端な感じだった。それでいて、分解に参加した日本の技術者が、工数やコストのことを全面に押し出したようなハナシを記事にするものだから、余計にややこしくしたようにも思える(WEB上には「だから日本のモノ作りはダメなんだ」…とかという非難があった)。

自分も技術者の端くれとして、さまざまなモノの設計から製造現場にいたが、Appleのテクノロジーは常に最先端だとは思っていない。しかし、市販化されるタイミングは実に絶妙でスピーディーだ。日本のメーカは全てとは言わないが保守的で、社内で優れたテクノロジーやアイデアを持っていても、それが市販化されるのはずいぶん後になってからだ。

そういった部分も大して踏まえておらず「日本メーカの方が低コストだ」とか「工数が多い」とかを単純にコメントするのは危険だと思うのだな。同じ土俵に立っている製品を比べるのならばまだしもねぇ。

日本の製品は確かにクオリティは高いし、信頼性も高いと思うが、どうも保守的すぎてメーカから発売される製品は横並びの同じものの様だ。以前ほど冒険するメーカが減少しているとも言える。海外メーカは一歩先を行き、目立つために他のメーカには無い特徴を持った製品を発売する。そのためには、コストや工数の部分は後回しになる場合もあるだろう。

どこに注目し、評価するかで内容は180度変わってしまうのだ。

ブログも個人が書くことが多いとはいえ、注意しないと…と思った記事だった。

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日経エレクトロニクス への6件のフィードバック

  1. muu のコメント:

    読んでみました^^記事的にはなんにもオモシロい所がないというか反感もわかないというか、幼稚な記事&記者ですね。Appleのプロダクトとしての”不思議ちゃん”ぶりに驚いてるのが、いまさらというかなんというか。そもそも世間で一番”世間知らず”なメーカーの設計者を横においたことが問題だったりしてw
    あ、お引っ越しおめでとうございます。ぜひホームパーティーなぞを^^

  2. ShimoKen のコメント:

    日本の「モノづくり」の考え方や体制を表現した記事になっちゃった感じもします。日本の企業体制を考えると、何はともあれ利益追求があるので、必然的にコストや工数低減が前面に出てしまいます。
    アイデアマンな技術者が居ても、上司に潰されてしまうケースが多いんですよね。私が居た会社でもよく見られた事例です。
    そうして、無難で味気ないモノしか世に出ないつまらない市場になってしまっているのが現在かと。

    ホームパーティは予定していますが、現在のちらかり具合をみると遠いなぁ(笑)

  3. Shin のコメント:

    こんにちは。面白い(笑)記事でしたね。
    ネットでは「じゃあ、同じようなの出せよ」って書かれてたりしましたが。

    ところできょう、三菱電機が携帯電話事業から撤退というニュースが流れましたね。
    iPhoneの発表の時も、あのマルチタッチこそ先進的と評価されましたが、日本の携帯の方が全然進んでいるといった論調もありました。

    ある意味それは当たっているところもあるのかもしれないですけど、そのiPhoneに勝てずに(直接それが原因じゃないですけど)撤退していく日本メーカーがあるところに、根っこは同じと言うか、日本のメーカー・技術者が陥りがちな(陥らざるを得ない?)同じ問題みたいなものがあるのかな、なんて感じました。

  4. ShimoKen のコメント:

    日本企業は色々な部署同士のせめぎあいでモノが作られがちなのですが、そのせめぎあいのなかで最初から一本筋が通っていないと、ボヤけてしまって妥協の産物みたいな製品が世に出てしまうんですよね。結果として、他社と同じ様な感じになってしまう。
    すなわち個性も競争力も少ないものになってしまうという感じですかね。そんなことを繰り返していると、段々衰退していくというものでしょう。自分はそういったものを感じます。

  5. 香港@山根 のコメント:

    いやー、楽しい記事の紹介ありがとうございます(笑)。ネジの数が少ないほうが技術が上とは知りませんでしたよ。あと工場に訪問もせず「ただ作っているだけだろ」とか、いやもう驚き。私も元技術者ですが(石油化学)、推測だけで海外メーカーをここまで批判できるとは驚きです。
    結局こーゆー「大本営発表」が日本をダメにしていっているんだと思う。「日本のほうが技術が上、だから大丈夫」みたいな。
    携帯にしてもワンセグとおさいふ乗ってりゃすごい、みたいな風潮になっていますが、Bluetooth無い、Wi-Fiも無い携帯なんて「低機能」じゃないんですかね(笑)。

  6. ShimoKen のコメント:

    日本の携帯市場に関しては本当に驚くほど「右にならえ」状態ですね(笑)まぁ、キャリア主体なので仕方ないなぁ。結果としてメーカの個性とかは希薄だから先日の三菱みたくなるんですね。
    SIMフリー絶対、とまでは言わないので、せめて各メーカが自由に端末作れる様になって欲しいモンです。

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